ヤスミノコフ3000R

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(C)SEGA 『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト http://pso2.jp/

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メイキング動画です↓↓

画像提供「ナウラのぷそしょ。」さまmayato1106.blog91.fc2.com
BGM「煉獄庭園」さまhttp://www.rengoku-teien.com/
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今回も、ファンタシースターオンライン2から「ヤスミノコフ3000R」を作りました。
ゲーム画像はこんな感じ↓

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で、ルガーのデザインを参考にされていると思います。

今回は「ヤスミノコフ3000Rはルガーのロングバレルカスタムである」をコンセプトに製作していきたいと思います。だいたい11インチくらいかな。出来るだけ元のルガーの外観を変えなければ実銃っぽいイメージは残るだろうし、最低限の改造だけで済ませようという(多少ラクをするw)腹積もりです。
もちろんガスガンとしての機能は殺さないように、つまり撃てるように改造します。削り込みすぎて強度低下したり、盛りすぎて重量が増加し動作不良を起こさないようにするためにも、大きな形状変更はやめたほうがいいですね~


素材として用意したのはルガーP06のほうです。比較的人気の高いP08ではなくP06を選んだのは、グリップが黒いから、という理由もありますが・・・販売していた大須のジョーシンには06のABSバージョンがあったからです。ABSとはABS樹脂(アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン)の事で、このP06に使用されている材料がABS樹脂なのです。
P08には、ヘビーウエイトモデルしかお店に在庫がありませんでした。ヘビーウエイト樹脂は塗料が乗らなかったり接着剤をはじいたりするそうです。実際に自分で試したわけではありませんが、先輩方がヘビーウエイトの改造はやめておけと仰るので、外観改造のためにトイガンを購入するなら、ABSを選んだ方が良いでしょう。

まずはロングバレル化とハンドガードから。


用意したのはアクリルパイプと木の棒。

動画のコメントで「アクリルパイプは強度不足では」、とご意見がありましたが、むしろ、バレルは強度があってはいけません。強度が高い=砲である、となってしまうと、いわゆる銃刀法違反になるからです。

銃刀法では、拳銃の主要三部品の金属化はご法度となっています。主要三部品とは↓↓


バレル(赤)、スライド(青)、フレーム(黄色)です。この3つを金属で拳銃を作る場合、全体を黄色(金色もOK)か白(シルバーはNG)で塗装しブリネル硬サは91以下、銃口は全閉しなければなりません。つまり、

なのです。金色や白のヤスミノコフなんて、コレジャナイ!になっちゃうでしょ、さらに銃口を閉じてしまうとBB弾は飛びません。

もうひとつ。拳銃、つまり「ハンドガン」の金属化がNGでも、ヤスミノコフ3000Rは「ライフル」ではないのか?という話。確かにゲームではアサルトライフルに区分されています。拳銃の金属化が禁止されている理由は、リアルな外観を持つ金属の武器を隠し持てるので拳銃の金属化がNGという事らしいです。ヤスミノコフ3000Rはバレルの長さを見ても隠し持てるような大きさではありませんが、元は拳銃なので、捕まりたくなかったら金属バレルはやめておいたほうがいいでしょう。

え?ガンショップで金属バレルや金属スライド売ってるのはダメじゃないのかって??確かに・・・!
どうやら「捜査当局は見た目の金属部分が50%以下なら捕まえない」とは言っているようです。
が、「法令には何処にも書いてない」のです。だから、金属パーツを買ってきても、組み込むのは自己責任です!
見た目の金属部分が50%を超えないために、メーカーはハンドガンを作る場合インナーバレルとアウターバレルを分けたり、プラのスライドの中に金属のブリーチブロックを入れたり、プラのフレームの中に金属のハウジングを入れたりしてますね。決められた法律を守りつつ最大限の事をするトイガンメーカーの企業努力は素晴らしいです!!
(そういえば最近実銃でもポリマーフレームなどプラスチックの銃が増えてきましたね。プラスチックの実銃があるからプラスティックの拳銃も実銃に見間違える外観であるため威嚇に利用できるから禁止・・・とかにならなければいいなぁ(;´Д`)

話が長くなってしまいましたw アクリルパイプを付けるために、ルガーのアウターバレルをストレートに改造します。

旋盤で削るんですが、加工よりも、旋盤にスライドを固定するための治具を作るほうがめんどくさかったと言う。良くある話ですね~

アウターバレルをまっすぐにしたら、

アクリルパイプをスポッとはめます。パイプ1本だけだと肉が薄いので、

パイプを2重にします。


アウターバレルの中に入れるパイプは、両端以外の外側を削って細くしました。削った分軽くなります。スライドと一緒にバレルもブローバックしますので、ちょっとでも軽いほうがいいと思います。


2重にしたアウターバレルを接着したら、銃口に丸みを付けます。
ストレートにカットしてC面取りすると現代っぽく、全体をRにするとレトロなイメージになりますね。


銃口付近のミゾも入れます。旋盤があるとラクですね。


フロントサイトは、あらかじめアウターバレルから切り離しておいた、元のルガーのモノを使います。
新造せずに、出来るだけルガーの意匠を残しておきたい。こいつを削ってアクリルパイプにはります。リアサイトはトグルに固定されているため、フロントサイトを取り付けるとき上下してしまうと、狙いがつきません。なので

キッチリと計算して削ります。

削るとき、アクリルパイプの外径のボールエンドミルで削ってやれば、加工したフロントサイトをパイプに貼るだけなんですが・・・ちょうど良い刃物なんてない。なので、

この錆びて放置されていたフラットエンドミルをボールエンドミルに改造します。


アールゲージで計りながら刃物を作ってやれば、けっこうイイ感じの刃物が出来ます~


その刃物で、彫刻機を使って、フロントサイトの裏側を削ります。こんな感じです。


貼り付けるとこんな感じです。そして、アウターバレルが出来たらすぐに塗装しました。
ルガーからヤスミノコフ3000Rを作ろうとすると、どうしてもゲームより小さくなってしまいます。だから今回は全体の大きさのバランス、パーツごとの大きさのバランスが重要だと思いました。透明アクリルのままこの先のパーツを作っていくと、透明な部品のせいで見た目ではバランスがわかり難い感じです。


ハンドガードには木の丸棒を使います。バレルもですが、印刷しておいたヤスミノコフ3000Rの画像と大きさを照らし合わせながらサイズを決めます。切った丸棒には、先ほどフロントサイトの裏側を削った刃物で丸いミゾを彫刻機で彫ります。


削り具合も、画像と照らし合わせながら。

そういえば動画で、ハンドガードは先細りではないかとコメントを頂きました。確かに側面視では先細りに見えますが。この画像、前から見ると、まっすぐに見えます。まっすぐに見える理由はパース(遠近法)によって手前が大きく見えるから、先細りであるはずが平行に錯覚してしまうからなんですが・・・俺はこの画像が、とてもお気に入りなんです!!
まっすぐ伸びたハンドガード、そしてその先端にちょっと大き目のC面取り。このイメージが大きくて、丸棒を切ったようなハンドガードを製作しました。
横から見たように先細りで作るのならば、丸棒ではなく角棒から削ったほうがいいかもですね~(実は最初、角材を用意してありましたw)。庄松屋の作ったものはヤスミノコフ3000Rではないぞ!、そう思われたかたがいらっしゃるのでしたら、ぜひ製作してほしいです。別の解釈で作られた同じ作品を見るのも楽しいので!


ハンドガードの塗装は、ニスで筆塗りです。均一に塗らずに、縦方向にあとの残るように塗ってやれば、なんとなく木目っぽく見えます。筆塗りは得意じゃないんですが、こういうときは上手に綺麗に塗り過ぎないほうが良いので、筆塗り下手で良かったなぁと思うんですw


ハンドガードをフレームに固定する部品は寸法をきちっと作りたいので、マシニング加工しました。出来るだけ手加工(手動送りの機械など)で作りたかったのですがだんだんといつものクセがw


この部品も接着したらすぐに塗装して、全体とのバランスを見ます。接着してしまったらすでにココを修正する事は出来ないのですが、後から作るパーツの大きさを決める目安にはなりますね~。

で、ここの接着の継ぎ目。合わせ目消しをしませんでした。平坦にするとのっぺらぼうになりそうで、ラインを残したままに。接着剤を塗り過ぎないように注意しました。
・・・後から思ったのですが、溶接跡でも作ったほうが良かったかもと。いまさらなので何もしていませんが、わざと合わせ目を残すのであれば、もう一工夫すればよかったと反省。ダンモで段差を作って、わざと継ぎ目を大きく見せても良かったかもしれません。うん、そうすれば良かった・・・うーーーーw


バレルとハンドガードを取り付けるとこんなふうで・・・


目を細めれば、コレでもヤスミノコフ3000Rに見えますねw

だけど、前半分はとりあえず似てますが、後ろ半分は物足りないです。ボリュームが小さいですね。
ここから後ろ半分をボリュームアップしていきます。が、たとえばスライド全体などにパテを盛りつけたりすると、作動不良の原因になったり、ブローバックの勢いでパテが剥がれたりします。ですので、最小限のディティールアップでバランス調整していきます。


まずはスライドから。スライド前方、チャンバー周りを大きくしました。ぺたっと貼り付けるだけでOKな部品を作ってやります。スライドは激しく動くので、パーツ一つで解決するように考えました。
それから、取り付けてわかったんですが、このパーツを貼り付けると、スライドの強度が大幅アップします。スライドの後ろを両手でつまんで、ちょうど割り箸を割るように引っ張ってみると、貼る前はやわらかかったんですが、貼ったあとはカッチリしてます。

この部分、ヤスミノコフ3000Rはカスタムルガーとして、効果的な改造がされていると思います~!


スライドの後方、トグルを引くハンドルを大きくします。


ここもビジュアル的なパーツで作ったのですが、実際にコッキングしてみると、その大きさからとても操作しやすいです。

ここも、有用なカスタムがされているように感じます~!!


ヤスミノコフ3000Rはグリップエンドに段差があり、大きくなっているように見えるので、ここもボリュームアップします。左右に板を貼って、その間にポリエステルパテを盛り付け。当て板をしてはみ出さないようにしながら、箱型にします。
ポリエステルパテ、通称ポリパテは、流動性が高いので箱組みした中に流し込むようにするとラクかなと。そして動画のように、箱型にしてからカドを落としていくように削っていくと、均等なアールを作りやすいです。


で、このグリップエンド。チャンバー強化やトグルハンドルでヤスミノコフ3000Rは実用的なカスタムがされている・・・という流れだったので、ここにも意味を持たせたいです。そこで、入り口を斜めにカットしました。こうすれば、マガジンが挿入しやすくなります。


仕上がりはこんな感じで。
ここ、ABSとパテが混在してます。仕上げるの難しいですね。ABSのような硬い材質とやわらかいポリパテは削れかたが違うし、有機溶剤(シンナー)の浸透も違います。硬さが違うものを同時に削ると、上手に当て板をしても削れ易いところから削れて凹んでしまう事があるし(ほんのちょこっと。でも塗装するとすごく気になる。)、綺麗に削ったとしても溶剤の侵され方の違いで表面が凸凹して(モヤモヤしてって言えばいい?)仕上がりが汚くなったりします。
今回は上手くいったので近くからパシャリ!
ガンプラやフィギュアだと密着しやすく切削性の良いポリパテが有効ですが、トイガンカスタムには向いてない気がしますね~。 ここで少し苦労したので、次からはエポパテを使う事を決心したのでした・・・


グリップエンドの大型化が終わりましたが、マガジンを挿入するとグリップエンドでマガジンがすっぽり隠れてしまい、マガジンを抜く事が出来ません(記事と時系列が前後しますが、この部品だけをグリップエンドと同時進行して、こいつを逃がしながらグリップエンドを製作しました)。そこで、このようにマガジン底部にマガジンプレートを作ります。
ちょっとした出っ張りを作っておいて、外しやすくします。


取り付け後の写真。塗装前と塗装後。丈夫にしたいので、アルミ板をネジ止めしました。出来上がりはなんだかエセルガーみたいな感じで、いかにもヤスミらしいように思えますw


入れるとこんな感じです~


トリガーガードはグリップエンドの教訓を生かしてエポキシパテ、通称エポパテを使いました。

こんな形状にしてみました。出来るだけルガーのデザインっぽくアレンジ。直線とRだけで仕上げました。


トリガーガードの肉盛りではエポパテを使用しましたが、正解でした。
グリップエンドは箱を組んで流し込みながらポリパテを盛りましたが、エポパテでも2つ上の左の写真のように、ぎゅ~っと押さえつけるようにすれば、平面は作れます。比較的ポリパテに比べるとエポパテは切削性が悪いというか、好みが分かれると思います。

切削性が悪く感じるのは、パテの性質の違いですね~。
ポリパテの多くは盛り付けた後に削って形を作るため、硬化後サクサク削れるように出来ています。対してエポパテの多くは粘土のように形を作りながら盛り付けします。だから、硬化後は硬いです。ポリパテは硬化後にヤスリをかけてもガリガリ削っていけますが、エポパテは目詰まりします。
しかし、目が詰まりやすいって事は、しっとりとした仕上がりになると言う事です。水気が多いという感じ。金属ヤスリを使わず紙やすりで「力を入れすぎない!」ようにすれば削る事ができます。また2つ上の右の写真のように硬化途中でナイフで切っていく事もできます。ポリパテはかくはん後20分くらいでコンニャクのようなナイフで切れる状態になりますが、エポパテは3時間後くらいです。このタイミングが掴みにくいですね。
(この3時間ってのがクセモノで、たとえば仕事から帰って7時過ぎに夕飯を食って子供を風呂に入れたりしてると遊び時間って9時頃からで、9時にパテを練るとこのタイミングは夜中の12にやってくると言う事です・・・眠くてナイフ扱うのこわいでしょw)
硬化後に削っていくわけですが、目詰まりのせいで力を入れて削るわけにもいかないから、ABSとエポパテが混在していても硬さの違いで削り具合が違ってしまうなんて事も起こりにくいです。しかもある程度硬いので、削れかたの違いも少なそう。そして塗装してもエポパテはシンナーに侵され難いので、表面処理しやすいです~。仕上がりもグッド!

・・・・なのにw↓


グリップエンドの形が、だんだん気に入らなくなってきたんですね。削らねばならないな、と。削ったら当然表面仕上げをしなきゃいけません。苦手なポリパテの仕上げをもう一度w

ちょうどココを削ってた時に、コウくん http://zuya.jp/usr/koh-nisi/newpage28.htm が、「銃は人が使うものだから、人が触る(掴む)部分は丸くないといけない、と六人部さんが仰ってた」とツイートしてて、「そうだよね、そうだよね!」と思いながらガシガシRを大きくしましたw

そして最終的なフレームの形状は↓↓

こんな感じで、六人部さんが設計したタナカのルガーをこんなふうにしちゃいました・・・と想いつつ、それなりに銃っぽく仕上がったので満足なのでした。

コレにて、外観の加工工程は終了です。最後に・・・↓


シアを青く塗装します。分解してシアバーのもとの塗装をスチールボールで剥がして、下地の銀色にしておいて、油性ペンで塗装しました。油性ペンはクリアーカラーのような感じなので、銀色の上に塗ると簡単にメタリックブルーのような感じになります。


ルガーの大きな特徴といえばトグルロックですが、そのおかげで他にも変わったところが沢山あります。その中でシアの位置も特徴的で、シアバーと呼ばれる部品がスライドの横にあります。トリガーは銃の前方にあるから、実銃だとストライカーを動かすために、メインシアバー、サブシアバー(タナカのガスガンではそのような名称です)という部品でストライカーまで腕を伸ばしています。それらの動きがスライドの横から見れるのは面白いですね。
サブシアバーの先端にはプランジャー(バネで出ベソが飛び出ているような物)があり、それがディスコネクトの役割をしています。こいつが引っ込むことによって、スライドが前進したときL字のトリガーレバーにぶつかってもスライドの前進が止まる事がありません。スライドが前進しきってトリガーを離した時、L字のトリガープレートは横にずれてプランジャーが伸び、その伸びたプランジャーを横から押す事が出来るようになり、そのプランジャーを横から押すとシアバーも動きストライカーが前進して発火・・・というサイクルです。

ルガーのこの構造は非常におもしろい。そしてそのサブシアバーを青く塗装してあるヤスミノコフ3000R!! そんなSEGAの考えたヤスミノコフ3000Rのデザインに、グッジョブデザイン賞を送りたいですw (Gのマークのねwww)

そして完成したのが下の写真です↓↓↓

作ってみてわかったのは、ヤスミノコフはやはりルガーのロングバレルカスタムである、という事です!
拳銃弾を撃つにはやや長いバレルは、普通の9パラより強い弾丸を使っている証。フォトン弾でしょうかw そのためにチャンバーの強化、人間以外の種族(ってもみんな人形だけどw)でも扱いやすいようにトグルハンドルの大型化とマグウェル。フォトン弾とは何かよくわからないけどw・・・それを作動させる専用パーツであろう青いシア。

って、なんだか説得力がある形状のはずなのに草が生えますねw

今回のカスタムも楽しかったです! 次は2000Hに挑戦します!! お楽しみに!!!

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