ファンタシースターオンライン2(PSO2)のオープニングに登場する「ギリアム」というキャラクターのコスプレを作ります。
PSO2ではプレイヤーは自身のキャラクターを自由にクリエイトできますが、このオープニングに登場するのは、各種族の初期設定の状態です。運営が用意したバランス造形なので、カッコイイです。
(C)SEGA 『PHANTASY STAR ONLINE 2』公式サイト http://pso2.jp/
ゲーム内ではこんな感じです。
最初の作業。ゲーム画像のスクリーンショットを等身大で印刷しました。A4サイズで分割して、テープで貼ってつなげました。
見たところ、ウエストの幅が22センチです(汗) 入るわけありません! デザインや造形でアレンジして中に自分が入れるようにしないといけません。
主な材料は、芯にポリA、表面にはリアラボード(PH9)黒色。これは最初に買った材料で、沢山買ったつもりが、途中で足りなくなって何度か買い足しています。
最初に頭の試作から作りました。コスプレ造形師さんからのアドバイスで「顔は小さく作れ」と言われていました。そのぶん頭の中に自分の顔が入るので、自分の目の位置はこの赤い位置になります。
そして、ここからうまく前が見えるように作らなければいけません。
ダンボールと紙でヘッドパーツを試作しました。試作なのでまぁこんなもんですw
ダンボールや紙で試作で寸法、造形バランスを確かめたら、リアラボードで本番製作。全身この流れで作りました。今までコスプレは作ったことないので、「着れるように作る」には、ダンボールの試作がとくに重要に感じました。
目はLEDで光るようにしました。車用のエーモンの12V電池ボックスと室内用LEDなら、簡単に強い光を得ることができます。白色LEDの上に、オレンジ色のクリアファイルを切って貼り付けました。どこか光る部分があるだけで、コスプレはかなり引き立つように感じます。
塗装は全身の造形がおわってからまとめて行うつもりでしたが、頭だけすぐに塗りました。仕上がりのテストと、ひとつパーツを完成させることで、今後のモチベーション維持になります。
全身にあるフォトンのライン。頭にもあるんですが、どのように表現するかとても悩みました。強く面発光する商品って無いんですよね。アクリルの反射板を買ったり、有機ELラインを買ったりして試しましたが、思うような発光は得られませんでした。
光らせることはあきらめて、蛍光テープを使いました。ただ貼っただけでは光ったように見えないので、外周を黒でグラデーションさせました。周りに影があって、内側に光の反射があれば、多少は光ったように見えると思います。
頭完成。頭だけで二ヶ月半。はじめてのコスプレで考えながら作っているので、頭だけでかなり時間がかかりました。先が思いやられますねw
この先は、ダンボール試作→リアラで製作、の繰り返しです。写真を一気にアップしますね!
一部3Dプリンタも使ってパーツを作成しました。この胸のパーツを作るのに約1ヵ月。
腰周りのパーツ製作も1ヵ月ほど。
両肩を作るのに約40日。だいたいこのあたりで「1ヵ月でどれくらい作る」というスケジュールが頭の中で出来上がりました。ざっくり計算すると春~夏に完成しそう。夏になると大きなイベントがあるはずだと考えたので、そういったイベントで発表しようと決めた。
肩や腰のパーツの接続は、プラスティックのぱっちんを使ってます。
これを見れば、「だれでも思いつくアイデアじゃないか」、「簡単な構造だな」、、、と感じると思いますが、その「簡単な答え」を導き出すまでが大変でした。
腕は、とくに前腕部が大変でした。ひし形を合わせたような多角形で、他のパーツよりも複雑な印象でした。
指は、関節をひとつひとつ作りました。その関節を、黒の軍手にホットグルーで接着。これが熱い。というか軽い火傷が沢山w 普通のボンドで接着していると、硬化時間が長くなるから、すぐにくっつくホットボンドを使ったんだけど、お友達からは「庄松屋さん漢やでぇ…w 体張り過ぎwww」と言われました~
あし。ここも、あいかわらず、型紙を作ってからリアラボードの箱組みです。自分の足を突っ込む部分は使い古しのクロックス。脱いだり履いたりしやすいからイイね。クロックスの下にABSで作った箱を貼り付けて、ゲタにしました。乗って歩いても大丈夫な強度あります。
これで、だいたい10~15センチ、背が高くなります。ロボット体型にするには、足を長く見せなきゃいけません。
ひざ~スネは、ボディーのようにインナーを入れました。自分の足よりはるかに大きく作りたいので、2重構造です。インナーの上から、デティールを貼り付けて追加していきました。
ふくらはぎは、3Dプリンタで作りました。3Dプリンタなら、同じモノを量産出来る、他の作業中に出力出来る、というメリットがあります。デメリットはワークスペースの問題で、パーツ分割するので、合わせ目処理が大変です。
もし大きな3Dプリンタを入手する事が出来れば、全身3Dプリンタのコスプレもやってみたいですね~!
足が出来上がった写真がこちら。自分の上半身より大きな足! カッコイイですね~!
でも、実は出来上がってから失敗に気付きました。足パーツは横の画像から型紙を作ったので、正面から見たら少し細いです。あと3~5センチくらい、太い足にすれば、バランスが良かったのになぁと思いました。
そして全身が完成!
作り始めて8ヶ月が過ぎました!
塗装まえに下地処理です。表面にジェッソを塗りました。全身で3個半くらい使いました。さらにツヤを落ち着かせるために、マットブラックの缶スプレーも塗りました。
黒を全体に塗ってから、黒立ち上げ塗装をしました。
大きな面積なので、マスキングするのも大変! フォトンラインのオレンジの部分は、蛍光テープを使いました。テープを貼っただけだと光った感じがしないので、回りに黒のグラデーションをしました。
塗り終わったパーツはこんな感じです。塗装作業は1ヶ月くらいでした。
そして完成!!!!
やっぱりふくらはぎとスネのところもう少し太いほうがよかったかなと思うけど、はじめてにしてはバランス良く造形できたと思いました! 全体の製作期間は1年ほどです。
最後にマーキングを入れました。見た目が良くなりますね~!
大きなものを作っていたので、長い間ブログを放置したけど、やっと完成した感じです。
このギリアムのコスプレで、SEGAのコスプレコンテストに出場したのですが、うれしい評価を頂きました。ありがとうございました!